■米

  ●主な成分

@炭水化物: ほとんどがデンプンでその含有量が70〜80%を占める。アミロースとアミロペクチンからなる。デンプンは麹菌が生産した糖化酵素のうち、はじめにアルファー・アミラーゼという酵素によってブドウ糖が溶け出る。さらにグルコアミラーゼという酵素によってブドウ糖の段階へと分解される。
A蛋白質 : 玄米中に7〜8%含まれているが、米の内部と表層とでは含有量と性質が違う。醸造の場合、麹菌の生産した酸性プロテアーゼによってアミノ酸にまで分解される。
B脂 質 : 玄米に2%程度含まれる。構成している脂肪酸は不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸があり、これらは清酒の香気成分の生成に影響する。脂肪酸は糖層、胚芽部分に多く、内部にいくに従って不飽和脂肪酸の占める割合が低くなり、芳香に寄与する飽和脂肪酸の割合が高くなる。
C灰 分 : 玄米に1%程度含まれており、糊粉層、胚芽部分に多く含まれている。その中で、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウムの4成分が酒造りにとって最も重要な主成分となっている。
Dビタミン: 胚芽部分に多く含まれおり、ニコチン酸、B1、B2、B2と呼ばれる各種の水溶性ビタミンB類が主として含まれている。

  ●代表的な酒造好適米(使用酒造米の割合)

五百万石
(50%)
由来:

昭和38年新潟県農業試験場長岡本場「菊水」を母とし、「新200号」 を父として人工交配を行い以来選抜固定をはかり、昭和32年に新潟県が米生産量「五百万石」を突破したことを記念し命名された。

特性:

心白の発現率が高く良質である。吸水性はやや不良で、吸水速度も速くはないが、蒸し米にした場合適度な硬縮性があり、機械での製麹に適する。

山田錦 
(30%)
由来:

大正12年兵庫県農業試験場において「山田穂」を母とし、「短稈渡船」を父に持つ酒米が生まれ、昭和111年に命名された。

特性:

酒造の適正である、@心白が大きい、A外硬内軟性に富み、B蛋白質含有量が少ない、C大粒であることをすべて備えた酒米である。稲穂の背丈が非常に高く、日中は気温が高く、朝晩が良く冷え込む山麓や谷合いが適地とされ、六甲山裏地区、美濃郡、加東郡、三木市、西脇市方面(関西地方)の地域が最適である。

美山錦 由来:

昭和53年長野県農業試験場にて「北陸12号」を母とし、「東北25号」を父とした「たかね錦」にγ線照射処理を行い、突然変異によって生まれた長野の美しい山の頂の雪のような心白があるという意にちなんで命名された。

特性:

玄米は大粒・豊満で揃いが良く、粒溝が浅く、心白米も多くて酒造米に好適である。

その他 華吹雪:青森、宮城、福島
若 水:群馬、静岡、京都、大分
八反・八反錦・雄町: 広島

■水

日本酒の80%を占める水分は醸造において決定的に重要な要素となる。
 
<利用目的>
@醸造用水 ・洗米、浸漬用
・仕込用水
・雑用用水(洗浄用水、ボイラー用水など)
Aビン詰用水 ・洗ビン用水
・割水用水
・雑用用水(洗浄用水、ボイラー用水など)

   <有効成分>

 麹菌と酵母の増殖および発酵に役立つ成分
 ◆カリウム  ◆リン酸  ◆マグネシウム

   <軟水と硬水>

軟水: カルシウム、マグネシウム、塩類の含量の少ない水で、できる酒は軽くきれいな酒とな る。
硬水: カルシウム、マグネシウムなどを多量に含む硬度の高い水。
   
酒造用水で最もよく利用されているのは井戸水(地下水)で、水質は種々の地層を透過するため無機成分を多く含んでいる。

   <酒造用水として有害な成分>

鉄: 色を濃くし、味や香りを悪くする。許容量は、0.02ppm以下でなければならない。
マンガン: 着色物の生成反応を促進する。許容量は、0.02ppm以下でなければならない。
重金属類: カドミニウム、水銀など水道水の水質基準以下でなければならない。
アンモニア、
亜硝酸:
動植物の枯死体の窒素化合物が分解生成した成分である。
有機物: 動植物の腐食物が混入している可能性がある。
細菌、
野生酵母:
有害な微生物に汚染されていても適さない。

■麹

●麹の役割
  1. デンプンを分解させ、ブドウ糖を作る糖化酵素を供給する。
  2. ビタミンなどの栄養素を供給し、酵母の増殖を促進する。
  3. 麹から清酒の香味に関係する成分を直接的、間接的に供給する。
日本酒の醸造に主に使用される麹菌は『黄麹菌』で、胞子の色が黄色〜黄緑色。
日本酒用はアミラーゼ力が強い
味噌、醤油用は、プロテアーゼ力が強い
沖縄の泡盛などは『黒麹菌』九州の焼酎『白麹菌』が使用される。