簡単にいうと『吟醸酒』、『純米酒』、『本醸造酒』のランクで選ぶと選びやすい。
吟醸酒、純米酒は、昔の特級以上の高級酒である。その理由は、素材が従来酒よりはるかに高く、製法も難しい。それだけに杜氏のこだわりもあり、価値がある酒となる。
本醸造酒は、安定した酒質、飲み飽きない酒として毎日飲みたいお酒である。自分の好みの本醸造酒をいくつか持って、特別な時や記念日に吟醸酒を選んではどうか。
■清酒のランク
製法品質表示基準(特定名称の表示 8種類に分類)
| @純米大吟醸酒 | A大吟醸酒 | B純米吟醸酒 | C吟 醸 酒 |
| D純 米 酒 | E本醸造酒 | F特別純米酒 | G特別本醸造酒 |
分類の特徴
レギュラー酒の基準(特定名称以外の酒)
もう一つの選び方として、『4タイプ分類』で選ぶ。
@薫酒(薫りの高いタイプ)
| 料理: | 食前酒にもっとも適する。和食・洋食・中華を問わず相性が良い。 |
| 選ぶ酒: | 大吟醸、吟醸酒が代表的。生酒、本醸造酒にも該当する酒がある。 |
| 香り: | 華やかで透明感のある果実や、花の香りや、爽やかさを感じさせる。香草や、柑橘類の香りを持つ。 |
| 味わい: | 爽快な味わいをもたらす酸とのバランスが取れている。苦味や旨味が少なく、明るく爽やかな味わい。 |
A爽酒(軽快でなめらかなタイプ)
| 料理: | 軽快な旨味を持った料理、淡い味付けの料理と同調の芳香を示す。淡白な素材を前面に活かしたものや、清涼感あふれる風味を持ったものと合わせると、両方の爽やかさが相乗効果で引き立つ。 |
| 選ぶ酒: | 生酒が代表的。本醸造酒、純米酒にも該当する酒がある。 |
| 香り: | わずかな果実香と、新鮮な爽やかさを感じさせる。 |
| 味わい: | 清涼感を持った味わいで、軽くさらりとしている。 |
B醇酒(コクのあるタイプ)
| 料理: | 食中酒として最適。料理との許容範囲が非常に広い。しっかりとした旨味を持つ料理との調和の方向を示す。アクの強い食材、発酵食品などの強い風味の料理にも負けない力強い酒質を持つ。生クリームやバターを使用した洋食系の料理とも好相性を見せる。 |
| 選ぶ酒: | 純米酒が代表的。本醸造酒にも該当する酒があり。 |
| 香り: | フルーツや花、ハーブを思わせる香りは非常に少なく、樹木や石の香りがあり、ふくよかさを感じさせるまろやかさで、複雑な旨味を感じさせる香りが強く、濃厚で柔和な香りの特性をもっている。 |
| 味わい: | 甘味、酸味は心地よい苦味とふくらみのある旨味と共に調和し、とろりとして充実したふくよかな味わいとなっている。味わいの残存時間が長く、力強さが感じられる。 |
C熟酒(練れた薫香りと豊潤な味わいのタイプ)
| 料理: | 食後酒的な飲用にも適する。非常に個性的で力強い味わいを持つため、料理を選ぶ傾向にある。風味の強い、濃厚な味付けの料理とうまく引き合う。油脂成分の多い料理、深く煮詰める、焦げ味を付ける調理法の料理に合う。 |
| 選ぶ酒: | 古酒が代表的。一般純米酒にも該当する酒がある。 |
| 香り: | 力強く複雑で個性的な香りを持つ。干した果物や干し草の香り、スパイスや樹木、香木を思わせる香りが非常に豊かである。また、きのこ類やナッツの香りが濃厚な熟した旨味を強く暗示させる。 |
| 味わい: | 甘味はとろりとしていて、よく練れた酸味が加わりバランスを取っている。強いスパイスや香ばしい味わいが、熟成した複雑な旨味と共に口中に存在感を現す。重厚な後味と長い余韻がある。(中国の老酒、紹興酒のイメージ) |
◆生酒を飲む
生酒の種類:『生酒』 『生貯蔵酒』 『生詰め酒』
もともと日本酒は、お酒を造った後、出荷するまでに二度、「火入れ」を行う。
| 通常の酒: | 発酵-> | 上槽-> | 濾過-> | 火入れ-> | 貯蔵-> | 濾過-> | 火入れ-> | ビン詰め |
| 生 酒 : | 発酵-> | 上槽-> | 濾過 | ------> | 生貯蔵 | ------ | ------> | ビン詰め |
| 生貯蔵酒: | 発酵-> | 上槽-> | 濾過 | ------> | 生貯蔵 | (濾過) | 火入れ-> | ビン詰め |
| 生詰め酒: | 発酵-> | 上槽-> | 濾過-> | 火入れ-> | 貯蔵-> | 濾過--- | ------> | ビン詰め |
お酒を造り終えた段階でも酵母はまだ生きており、タンクの中でそのまま熟成させると、気温の上昇してくる春から夏にかけて変質してしまうので、酵母の活動を休止させるために行うのが「火入れ」である。そして、ビンに詰めて出荷するときにもう一度行うのが普通である。
『生酒』: |
「火入れ」を一度も行わないで、飲み手に届けるお酒のことをいう。これは、特殊なフィルターを通して酵母やその他の菌を漉し取り、発酵を止める技術を使っているから可能になった。 |
|---|---|
『生貯蔵酒』: |
出荷の直前に一度だけ、火入れを行う。 |
『生詰め酒』: |
生酒を加熱処理して貯蔵し、ビンに詰める時の火入れを省いた酒のことをいう。 |
◆原酒を飲む
搾りたてのお酒を「搾りたて」「糟(ふなくち)」「荒走り」という。搾りたてのお酒はアルコール分が18度から19度あり、水を加えていないので原酒ということができる。ラベルに原酒と書いてあれば、水を加えていないということができる。
原酒は新鮮な果物の香りと、酵母が生きているためシャンパンのような感じがして、旨味が口の中に広がる。アルコール度数も高いため酒飲みにはこたえられない。原酒の「冷凍酒」などもあり、夏には持って来い酒である。