簡単にいえば『冷で飲むか』『お燗で飲むか』
『吟醸酒』は、冷やで楽しみ。
本醸造酒』は、お燗で飲むのが無難。
純米酒』は、どちらかというと、冷やでも燗でもどちらでも美味しい中間的な位置にある。

なぜ最近の日本酒は、「冷や」で飲むことが多くなってきたかというと、醸造に対する研究・技術が格段に進歩し、酒造好適米を50%以下に精米して、長期低温醗酵させることにより、吟香がでて従来にはない芳香を放ち、この香りも楽しみ、味わうことができるようになったからである。

 酒の種類 おいしい飲み方
お湯割 ロック 水割
純米大吟醸酒 × ×
大吟醸酒 × ×
純米吟醸酒 × ×
吟 醸 酒 × ×
 
特別純米酒
純 米 酒
 
特別本醸造酒
本醸造酒
 
古 酒
槽口酒 ×
原 酒 ×
生 酒 × ×
生貯蔵酒 × ×
生一本
樽 酒

 

冷やの表現と温度

雪冷え(ゆきひえ) 5℃
花冷え(はなひえ) 10℃
涼冷え(すずひえ) 15℃

 

燗の表現と温度

日向燗(ひなたかん) 30℃
人肌燗(ひとはだかん) 35℃
ぬる燗(ぬるかん) 40℃
上 燗(じょうかん) 45℃
熱 燗(あつかん) 50℃
飛びきり燗 55℃

5℃から55℃までの広範囲な幅の中での味わい。

一般に酒の温度が高くなるほど味わいの強さと押し出しが増し、温度が低くなるほど香りと味わいが小さくなる傾向がある。


4タイプ別日本酒の温度差による香り、味わいの変化

(出典:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会、きき酒師必携)

(25℃を基準としたコメント)

薫 酒(香り高いタイプ)
55℃ 香り 米の香り、そば、麦焼酎を思わす。
甘味が消える、アルコールが舌を刺す。バランスがくずれ、味わいがわからなくなる。
45℃ 香り 生臭い、蒸し栗、蒸し大豆、栗の花、ベビーパウダー、マオタイ酒、果実の香り(コンポート)。
甘味、酸味、苦味のバランスが良くなる。旨味全体にコクを感じさせ、旨味成分の特性が出てくる。後口が非常にドライである。
35℃ 香り ドロップの香り、ビタミンCを思わせる。洋梨から白桃に香りが移行する。白玉粉、木質、花香、キャンディの香り、清涼感がなくなる。
生ぬるい。苦味に収斂性がなくなり、甘味が溶け込み旨味が出てくる。乳酸系の酸がまろやかな酸となる。
25℃ 香り グレープフルーツ、リンゴ、洋梨、キャンディの甘い香り。メロン、緑茶、金木犀など、複雑な香りがする。
甘味と苦味のバランスがよく、旨味にまろやかさが出る。糖分が控えめなため、全体にさらりとしている。
15℃ 香り 香りが萎縮してしまう。クレッソン、緑茶、ジャスミン系の香り。
甘味が低下し硬質ミネラル様となる。
10℃ 香り 甘い香りが戻る 熟した洋梨。清涼感の香りがなくなるが微量にリンゴ、プリンスメロンの香りがする。
冷たいため味が感じなくなる。余韻で温度が高くなるため、口中の奥で感じる味わい。
5℃ 香り もやし、クレッソン、ジャスミン、大豆、豆乳、グレープフルーツ、若いレモン、ウーロン茶の葉の香りがする。
冷たいため非常にドライに感じる。口中が乾く。
温まってくると、味わいがいっせいに口中で感じられる。

 

爽 酒(軽快でなめらかなタイプ)
55℃ 香り 餅、上新粉の香りがする。
舌をアルコールが刺す。後味に嫌味を持つ苦味が出る。
45℃ 香り 蒸し栗、炊きたての米の湯気の香り、栗の薄皮の香りがする。
第一印象で甘味を感じ、艶のある味。後味は辛口でざらつきのある苦味が出る。後口はさらさらになる。
35℃ 香り くるみの薄皮、木の香り、ドライアーモンドの香り。アルコールが出てくる。洋梨から白桃に香りが移行する。
甘味がなめらかで増す。まろやかな旨味が出てくる。甘味がきれいだが、酸が甘味に抑えられる。
25℃ 香り 木質、杉板、檜、桜、マシュマロ、バター、藤、れんげ、白玉粉、道明寺粉の香りがする。
第一印象は爽やかでなめらかな味。乳酸系の旨味、苦味の味わいのつながりが希薄。
15℃ 香り ミネラル(カルシウム、チョーク)、マスカット、木の香りがドライに感じる。
味わいにまとまりが出る。甘味、酸味、苦味のつながり良く、温度が与える感触、感覚が良い。
10℃ 香り 穏やか。木の香りがなくなる リンゴ、もみがらの香り。複雑な香りが入るチェリー、さくらんぼ、マシュマロ、桜餅の香り。
酸がよりシャープになり、隠れていた酸もシャープになる。味が萎縮する。苦味が出ない。含み香、リンゴ、木質を感じる。
5℃ 香り 香りが少なくなり、微量な桜餅、マシュマロ、水飴の香り。 香りが消える。
味がない。インパクトがなくなる。

 

醇 酒(コクのあるタイプ)
55℃ 香り 藁(わら)米のもみがら、ゆで卵の香り。
甘味が消えてしまい、旨味が一番強調される。旨味とコクのある乳酸系の酸が前面にでてくる。栗の旨味、椎茸、海草の味が上昇する。
45℃ 香り カステラ、キルシュ、蒸しパンの香り。香りのバランスは良いが、乳性の香りは低下する。
全体の味わいが調和し、完全に旨味、苦味が一体化する。味わいのレベルが高く、コクを一番感じ余韻も一番長く感じる。
35℃ 香り アルコールが練れる。
クリーム系の香り、カッテリーチーズ(乳酸系)の香りが出てくる。
甘味と旨味のバランスが調和し、全体的に味わいがふくらむ。しかしフレッシュな酸が消える。
25℃ 香り ヨーグルト、生クリーム等乳性の香り。れんげ、福寿草、無花果(いちじく)、バナナ、大根、蕪(かぶら)の香り。
まるくふくらむ。旨味を印象づけるふくよかな酸が感じられ、非常にバランスが良い。
15℃ 香り 香りが薄れる 微量に道明寺粉、さくらんぼ、カステラの香り。
果実香、ヨーグルト系の香りが減少し、穀物系の香りが出てくる。
甘味が減少し、フレッシュさを感じさせる酸が現れる。
クレッソン、蕪(かぶら)の苦味が急激に出てくる。
10℃ 香り アルコール臭、キルシュ、れんげの香り、微量に餅の香り。
乳性の香りが感じられなくなる。
第一印象はミネラルを思わせる。フレッシュな酸が甘味を完全に包み込む。口当たりがさらさらになる。
5℃ 香り 香りが減少する。炭化された香り、炭、コークス、ミネラルの香り。
硬質ミネラル、爽やかな酸と苦味を感じられるがコクが消える。

 

熟 酒(熟成タイプ
55℃ 香り 鼻が痛い。アーモンドの香り、ゆで卵の黄身を凝縮した香り、麦わら等の香りが強まる。
舌をピリピリ刺激させるため辛く感じる。
舌の前半が麻痺し、後ろ半分がいがらっぽさを感じさせる
45℃ 香り 甘い味噌の味が消え、カラメル、ナッツの味、アーモンドロースト、落花生、カスタードが感じられなくなる。
味わいが柔らかくなる。第一印象で甘味が高くなるため、旨味・苦味がを包み込む。第一印象から余韻まで甘味、酸味、苦味、旨味のバランスが調和し平行線となり続く。
35℃ 香り 味噌、醤油、きのこ、ヨード(海草)、カラメル等の旨味を感じる香りが増加する。
甘味が強まり苦味(焦げ味)が出てくる。旨味を強く感じ余韻に味噌、ヨードの香りが現れる。後口ドライとなり口の中が乾く。
25℃ 香り 焼き栗、味噌、ナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ、へーゼルナッツ、白胡椒、きのこ、マッシュルーム、バター、飴、杏仁、乾しイチジク、金木犀、香木、松やに、杉ヤニの香り。全体が一体となっている。
柔らかな旨味と酸のバランスが良い。ナッツ、香木、クルミ渋皮、スパイス様の苦味を後味に感じ、旨味となり余韻を長く与える。
15℃ 香り 穏やかさが出て味わいがまとまる。
バター飴の香り、カシューナッツ、ホットケーキ、カスタードクリームの香り。攻撃性、複雑性を持つ香りが低下し、まろやかさを与える香りが上昇する。
第一印象はとろみを感じさせる。旨味とコクを与える味が凝縮され、旨味・甘味が低下する。
10℃ 香り 香りが消える。旨味を感じさせるヨード香が出てくる。生湯葉、大豆麹が発酵した香り、熟成香は少なくなる。
まるみを帯び、後半よりやや切れ味の良い爽やかな酸を感じ、後味に苦味(根菜系の苦味)、朝鮮人参、軽い旨味がなめらかにのびる。口の中の香りは白木、木香、白胡椒の香りがする。
5℃ 香り 苦い、朝鮮人参、ヨード香、海老の殻の香り。
軽快な口当たりになり、甘味は抑えられ酸がいきいきしてくる。青野菜的な苦味、ナッツ系の渋味がでてくる。含み香として香ばしさと渋味、朝鮮人参。