日本酒はもともと「嗜好品」
 
好きなお酒を好きな飲み方で飲めば良いのだが、微妙で複雑な味や香り、料理との相性など自分流にこだわると、その奥の深さが一層増してくる。
 
あまりの奥深さが故に、楽しむというより極めることに悩むことさえある。「自分流のこだわり」で飲んで、うまいと感じた酒がうまい酒なのである。ただし、相手がうまいと思う酒とは別の場合もある。

日本酒は季節を感じ、自然を肴に飲んでもよし、季節の肴と味わって もよし、旅先で地元の料理といっしょに味わってもよし、一人で飲ん でもよし、仲間と居酒屋で飲んでもよし、夫婦で家で飲んでも楽しめ る。日本酒への自分流のこだわりをもって楽しむことが一番である。 ワイン、ブランデー、ウィスキーなどとは違った楽しみ方ができる。 

食前酒: 料理に箸をつける前に口を潤し、食欲を増進させるために飲 むお酒で、アルコール度数の低いすっきりとしたものが良い。 日本酒以外では、ビール・発泡酒、果実酒(梅酒等)のよう な感覚で飲む。
食中酒: 料理を引き立て、かつ酒の旨さを引き出すようなもので、料理も美味しく酒も美味しくなるものが良い。水割りウィスキー、テーブルワイン、紹興酒等のような感覚で、端麗でキレのよい吟醸酒などがお薦め。
食後酒: 食事の満足感を高めるために芳醇で濃厚な味、香りのお酒がお薦めで、料理の余韻を楽しむとともに品位のある味わいで至福を味わう。高級なブランデー、ピュアモルト・ウィスキー などの感覚で大吟醸酒、熟成大吟醸酒が良い。

最初に、食後酒のような濃厚なものを飲んでしまうと料理の味が負け てしまう。また、高級な素材、料理にはそれなりのレベルのお酒を選び、いつも食べている普通の料理にはそれなりのレベルのお酒を選ぶと良い。

それぞれの味の高さのバランスが取れているほうが、料理もお酒も両方の味わいが生きてくる。お酒の質によって飲むタイ ミングを選ぶと一層味わい深いものとなってくる。

特別な時や接待など、こだわった飲み方をするなら食前、食中、食後に合わせたお酒を選ぶとよいが、気軽に飲むなら料理に合う酒を選び、食事と一緒に楽しむ飲み方がおすすめである。